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🔄 2026-08-05 更新(記事の軸を「業者の選び方」から「使う前に確認すべきこと」へ全面改稿)
「もう会社に行きたくない。でも自分から言い出せない」——そんなときに名前が挙がるのが退職代行です。
ただ、正直なところ、いま検索すべきは「どの業者がいいか」ではありません。2026年2月、業界でもっとも名前の知られたサービスの運営会社代表が、弁護士法違反の容疑で逮捕と報じられた——テレビCMで知った大手に頼めば安心、という前提そのものが崩れた年です。だからこの記事は、業者のおすすめ紹介ではなく、申し込みボタンを押す前に確認すべきことだけを整理します。
まず知っておくべきこと——2026年2月、業界で何が起きたか
2026年2月3日、退職代行「モームリ」を運営する株式会社アルバトロスの社長と、従業員である妻が、弁護士法違反の容疑で逮捕と報じられました(時事通信 2026年2月3日、テレ東BIZ)。
報道によれば、容疑の内容はこうです。弁護士資格がないにもかかわらず、顧客から依頼された「勤務先との退職交渉」などの法律事務を提携先の弁護士に有償であっせんし、紹介料を得ていた疑い——弁護士法72条が禁じる行為にあたるおそれがある、というものです。警視庁は前年10月に家宅捜索を行っていたとも報じられています。
ここで一つ、正確に書いておきます。逮捕は容疑の段階であり、有罪が確定したわけではありません。 本記事は特定の事業者を違法と断定するものではなく、報道された事実と、そこから利用者が学べる「確認ポイント」を扱います。
それでも、この報道が利用者に突きつけたものは重い。私自身、ニュースを見て最初に感じたのは「利用者の側からは見分けようがなかった」ということでした。料金も窓口の対応も普通のサービスに見えて、裏側の報酬構造までは外から見えません。だからこそ、「有名だから」「安いから」ではなく、構造で確認するしかないのです。
「非弁行為」とは何か。利用者にどう跳ね返るのか
弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務(交渉・請求など)を扱うことを禁じています。退職代行に当てはめると、民間業者が有給消化や退職日の「交渉」をした瞬間、この非弁行為にあたるおそれがある——東京弁護士会 非弁護士取締委員会も、この点について公式に注意喚起しています。
「業者の問題でしょ? 利用者には関係なくない?」と思いませんか。実を言うと、ここが一番跳ね返ってくる部分です。
東京商工リサーチ TSRデータインサイトの企業向け調査(2026年3月31日〜4月7日、有効回答6,425社)では、弁護士・弁護士法人以外の退職代行業者から連絡を受けた場合、30.4%の企業が「非弁行為の可能性があるため取り合わない」と回答しています(出典: 東京商工リサーチ TSRデータインサイト 2026年4月15日)。
つまり、権限のないサービスに頼むと、お金を払ったのに会社側が対応してくれない——退職の意思は自分で伝え直す羽目になる、という展開が現実に3割の企業で起こり得るわけです。業者が摘発されるかどうか以前に、あなたの退職手続きが宙に浮くリスクとして、非弁の問題は利用者自身のものです。
3つの運営タイプ。「できること」より「できないこと」で見る

| 項目 | 弁護士 | 労働組合 | 民間業者 |
|---|---|---|---|
| 退職意思の伝達 | ○ | ○ | ○ |
| 有給・退職日の交渉 | ○ | ○(団体交渉権) | ×(非弁リスク) |
| 未払い賃金などの法的請求 | ○ | △(限定的) | × |
| 訴訟対応 | ○ | ×(別途弁護士) | × |
| 料金目安 | 2.8〜5万円+ | 2.5〜3万円 | 2〜2.5万円 |
比較表そのものは従来どおりですが、読み方を変えてください。「どれを選ぶか」ではなく、「それぞれ何ができないか」から見るのが2026年の読み方です。
- 民間業者(株式会社運営)ができないこと: 有給消化・退職日・未払い賃金などの「交渉」全般。できるのは原則、退職意思の伝達まで。「交渉もお任せ」と明言していたら、それ自体が非弁の兆候です。
- 労働組合運営ができないこと: 未払い賃金の本格的な請求や訴訟対応(そこは弁護士の領域)。団体交渉権を根拠に有給・退職日の交渉までは適法に行えるとされますが、依頼時に組合加入する建て付けか、運営主体が本当に労働組合かの確認が前提です。
- 弁護士(法律事務所)運営ができないこと: 機能面の欠けはほぼありませんが、費用は最も高く、請求案件では成功報酬が別にかかるのが一般的。「もめる要素が1つでもあるなら最初からここ」という使い分けは従来どおりです。
そして2026年の教訓はもう一つ。「弁護士と提携」「弁護士監修」は安心材料ではなく、精査すべきサインになったこと。今回の報道で問われたのは、まさに民間業者と提携弁護士の間の「案件あっせん・紹介料」の構造でした(報道ベース・司法判断は未確定)。提携をうたうこと自体は違法ではありませんが、業務の分担と報酬の流れが説明されないなら、その説明が無いこと自体を判断材料にしてください。ただし、ここで一つ、はっきり書いておきます。「労働組合が運営しているから安全」とは言えません。東京弁護士会 非弁護士取締委員会は、労働組合とは名ばかりで実態を伴わない場合があり、都道府県による資格審査を得た組合の中にも実態を伴わないものがありうると注意を促しています。さらに、業者が代金を受け取ったうえで交渉を提携先の労働組合へ取り次ぐこと(周旋)自体が非弁行為にあたる、とも説明しています。つまり、外から見える名称や肩書きで「安全な運営主体」を選び分けることは、当社を含めて誰にもできません。選ぶべきは業者の類型ではなく、自分の依頼が「伝えるだけ」なのか「交渉」なのかの見極めです。未払い残業代・未消化の有給・退職金・契約期間途中の解約・パワハラの慰謝料——このうち1つでも当てはまるなら、それは「伝える」ではなく「交渉」であり、弁護士の領域です。
使う前チェックリスト(契約前にこの順で確認)

契約前に、この順で確認してください。1つでも当てはまったら即アウトというより、複数当てはまるほど危険度が上がると考えるのがコツです。
- 運営者情報: サイト最下部の運営者情報・特定商取引法に基づく表記で、運営主体が何者かを確認する。ただし名称に「労働組合」「弁護士法人」が入っていることは、安全の証明にはなりません(東京弁護士会 非弁護士取締委員会は、実態を伴わない組合がありうると注意喚起しています)。ここで確かめるのは「安全かどうか」ではなく、自分の依頼が交渉を含むかどうかです。
- 非弁の兆候: 民間運営なのに「有給の交渉もお任せ」等の交渉対応を明言していないか。
- 提携の中身: 「弁護士提携・監修」を強調するだけで業務分担・費用の流れの説明がないものは避ける。
- 断定表現: 「100%辞められる」「絶対に即日退職」の保証をうたっていないか。
- 料金の透明性: 総額・追加費用・返金条件がサイト上に明記されているか。
- 書面性: 契約内容(対応範囲・返金条件)がテキストで残る形か。口頭・電話のみは避ける。
- 自分に必要な権限: 伝達だけで足りるのか、交渉が要るのか、請求まで見据えるのか。迷ったら複雑な方に合わせる(あとから弁護士に切り替えると二重費用)。
- 雇用形態の適合: 公務員・有期雇用は対応可否をサービス側に必ず確認。
- 即決圧力: 相談段階から執拗に即決を迫ったり、他社批判で不安を煽ったりしていないか。
- SNS・口コミの偏り: 評判が極端に新しいアカウントの絶賛ばかりで占められていないか。
両論併記: 使うこと自体の「キャリアリスク」も知っておく
ここは書くか迷いました。ぶっちゃけ、アフィリエイト記事としては書かないほうが成約は伸びます。それでも、確認すべきことを謳う記事で伏せるのは誠実ではないので数字を載せます。
東京商工リサーチ TSRデータインサイトの同調査(有効回答6,425社)によれば:
- 2024年1月以降、退職代行業者を利用した退職があった企業は8.7%(前回2025年6月調査の7.2%から増加)。利用は広がっている。
- 一方、採用活動で応募者の前職での退職代行利用が分かった場合、「採用しない」が26.0%。「採用には慎重になる」の49.3%と合わせると、約75.3%の企業が採用選考で不利に扱うと回答。
- 出典: 上記の数値はいずれも東京商工リサーチ TSRデータインサイト(2026年4月15日)。逮捕直後の業界分析は同(2026年2月3日)。
補足も公平に。退職代行の利用が転職先に自動的に伝わる仕組みはないとされており、面接で退職手続きの方法まで説明する義務もありません。この75.3%は「分かった場合」の話です。それでも、心身が限界で他に手がないなら使えばいい。ただ「気まずさを避けたい」程度の理由なら、まず自分で切り出す選択肢(→退職の切り出し方と引き止め対応)と比較してから決めても遅くない——それがこの数字の読み方だと私は考えています。
依頼から退職完了までの流れ
「申し込んだら、その後どうなるの?」という不安は大きいと思うので、一般的なサービスで案内されている流れをタイムライン形式で整理します(サービスや状況により異なります。あくまで典型例です)。

| タイミング | 起きること | あなたがやること |
|---|---|---|
| 0日目(相談) | LINEやフォームで無料相談。状況・希望(退職日、有給、連絡拒否など)のヒアリング | 雇用形態・入社日・有給残などを伝える |
| 0〜1日目(契約) | 料金支払いと正式依頼。実施日時のすり合わせ | 支払い、退職届など必要書類の準備 |
| 実行日の朝 | 代行側が会社へ連絡し、退職の意思を伝達(労組・弁護士なら条件面の交渉も) | 基本的に待つだけ。出社はしない形が一般的 |
| 実行日〜数日 | 会社側の反応の共有、貸与品返却・退職届郵送の案内 | 郵送物の発送、経過報告の確認 |
| 〜2週間前後 | 民法上、期間の定めのない雇用は申し入れから2週間で退職が成立するとされる期間。有給消化を充てる形も | 離職票など受け取る書類のチェック |
| 退職成立後 | 書類の受領確認、必要に応じ社会保険・失業給付の手続き案内 | 役所・ハローワーク等での手続き |
ポイントは、実行日以降、あなたが会社と直接やり取りする場面は基本的に作らない形で進むことです。ただし退職届の提出や貸与品の返却といった「モノと書類」の対応は本人がやる必要があるので、そこまで含めて段取りを案内してくれるかは、良いサービスを見分ける材料になります。
よくある質問(不安なこと、全部答えます)
Q. 退職代行を使うと会社から訴えられない?
退職は労働者の権利で、期間の定めのない雇用では民法上2週間前の申し入れで退職できるとされています(詳細は厚生労働省などの公的情報をご確認ください)。「損害賠償だ」という言葉が引き止めの脅し文句として使われるケースも指摘されていますが、個別の事情により異なるため、トラブルが予想される場合は弁護士型を選ぶのが安心です。
Q. 即日で辞められる?
「出社しない状態を即日つくる(有給や欠勤の活用)」ことは広く行われていますが、法的な退職日は別問題です。「絶対に即日辞められる」と断定するサービスには注意してください。ここの説明が誠実かどうかは、良いサービスを見分けるリトマス試験紙にもなります。
Q. 会社から本人に直接連絡が来たらどうすればいい?
多くのサービスは「本人への連絡は控えるよう」会社側に伝えてくれますが、法的に連絡を禁止できるわけではないため、電話やメッセージが来る可能性はゼロではありません。一般的には、出る義務はなく、対応はすべて代行側に任せてよいと案内されています。着信があった事実だけ代行側に共有し、自分では返答しないのが基本です。
Q. 実家や親に連絡されてバレない?
会社が本人と連絡が取れない場合、緊急連絡先(実家など)に連絡する可能性は否定できないとされています。多くのサービスでは依頼時に「緊急連絡先への連絡も控えてほしい」と会社へ伝えてもらえるので、家族に知られたくない事情がある場合は、相談段階でその旨をはっきり伝えておきましょう。
Q. 懲戒解雇にされたり、退職金を減らされたりしない?
退職代行を使ったこと自体を理由とする不利益な取り扱いは問題があるとされていますが、無断欠勤の積み重ねなど経緯によってはトラブルの火種になり得ます。退職金や有給の扱いは就業規則と法令によるため、条件面に不安があるなら、事前に就業規則を手元に確保しておいてください。あわせて、自分の依頼が「伝えるだけ」で済むのか「交渉」を含むのかを先に切り分けること。交渉にあたる内容を弁護士でない者が本人に代わって行うことは、弁護士法72条に触れるおそれがあります。
Q. 離職票などの書類はちゃんともらえる?
離職票や源泉徴収票などの交付は会社側の手続きとして行われるもので、退職代行の利用によって受け取れなくなる性質のものではないとされています。多くのサービスが書類の発行依頼まで会社への伝達に含めてくれますが、届かない場合の相談先(ハローワーク等の公的窓口)も案内してくれるかを事前に確認しておくとより安心です。
Q. 退職代行を使ったことは転職先に知られる?
退職代行の利用が転職先に自動的に伝わる仕組みはないとされています。面接で退職理由を聞かれることはありますが、「退職の手続きをどう行ったか」まで説明する義務はありません。前職への在籍確認等が気になる場合も、退職の事実関係が変わるわけではない点は押さえておきましょう。
Q. 公務員や契約社員でも使える?
公務員は労働関係の法制度が民間と異なるため、対応不可としているサービスや、弁護士型のみ対応とされるケースが多いです。契約社員など有期雇用の場合も、期間途中の退職は無期雇用と扱いが異なるとされているため、いずれも申し込み前に「自分の雇用形態に対応しているか」を必ず確認してください。
ここまで確認した人だけどうぞ(PR)
以下はアフィリエイト広告(PR)です。当社が「安全」と評価したサービスではありません。当社は個別の事業者について適法・違法の判断をしません(東京弁護士会も個別の照会には回答しないとしています)。交渉を含む依頼であれば、弁護士に相談するのが確実です。料金・条件は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。当社はこれらのサービスを自社で利用した実績はありません。
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まとめ
2026年の退職代行は「どこがいいか」より先に、「そもそも大丈夫か」を確認する時代になりました。運営主体・権限・料金の書面性を確かめ、非弁の兆候を避け、使うこと自体のリスクも数字で知ったうえで決める。ここまでやれば、大きな失敗はまず避けられます。逮捕報道は容疑段階の話であり、業界全体を否定するものでもありません。ただ、「有名だから安心」だけは、もう理由にならない。それだけは確かです。
※本記事の事件に関する記述は2026年8月時点の報道に基づきます。逮捕は容疑段階であり、有罪が確定した事実を示すものではありません。法律・制度の適用は個別の事情により異なるため、判断に迷う場合は厚生労働省等の公的情報や弁護士にご確認ください。
出典: 時事通信(2026/2/3)/テレ東BIZ/弁護士ドットコムニュース/東京商工リサーチ TSRデータインサイト(2026/2/3・2026/4/15)


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