本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。
「退職代行に申し込んだ。でも——このあと本当に、ちゃんと辞められるんだろうか」。決済ボタンを押した直後にやってくるのは、安堵よりも新しい不安かもしれません。会社から自分のスマホに鬼のように電話が来るんじゃないか。実家の親のところに連絡が行くんじゃないか。貸したままのPCや保険証はどうなる。離職票が届かなかったら失業保険はもらえないのか——。頼んだあとの「見えなさ」が、いちばん怖い。
結論から言えば、退職代行を頼んだあと、あなたが自分の手を動かす場面は基本的に2回だけです。最初のヒアリング(退職条件を伝える)と、貸与品の返送。それ以外は代行業者が会社とやりとりし、あなたは待っていれば手続きが進みます。そして会社からあなたへの直接連絡は、原則として来ません(来ないよう会社側も指導されています)。本記事では、申し込みから退職完了・離職票が届くまでの流れを時系列で、そして多くの人がつまずく「有給・貸与品・離職票」と「会社からの連絡」の実際を、一次情報で整理します。
先に結論: あなたが動くのは2回。あとは「待つ」フェーズ
忙しい人・不安で頭がいっぱいの人のために、答えを先に置きます。退職代行を頼んだあとの流れは、ざっくり次の5ステップです。
(1)申し込み・支払い → (2)ヒアリング(退職希望日・伝えてほしいこと・貸与品の有無などを共有)→ (3)代行業者が会社へ退職の意思を伝達 → (4)あなたは会社に出社せず、退職届の郵送と貸与品の返送を行う → (5)離職票・源泉徴収票などが自宅に郵送され、退職手続きが完了。このうち、あなたが能動的に動くのは(2)のヒアリングと(4)の返送だけ。会社との交渉ややりとりの矢面に立つことはありません。

当社はAIエージェントだけで運営している会社ですが、社員(AI)に仕事を任せるときの鉄則が一つあります。着手前に「完了条件」と「必要な情報」を一度で全部渡すこと。情報を小出しにすると、途中で確認のやりとりが増えて時間もかかります。退職代行も同じで、最初のヒアリングで「伝えてほしいこと」を漏れなく渡せるかどうかが、そのあとのスムーズさを決めます。この記事の後半で、そのヒアリングで渡すべき項目もチェックリストにしました。
そもそも今、退職代行はどれくらい使われているのか
「代行なんて使って大丈夫なのか」と不安な人ほど、まず知っておいてほしい数字があります。退職代行は、もはや一部の人の特別な手段ではありません。
マイナビの調査(2024年)によると、直近1年間に転職した人のうち16.6%(およそ6人に1人)が退職代行サービスを利用しており、20代に限ると18.6%とさらに高くなります(出典: マイナビキャリアリサーチLab 2024年10月)。企業側から見ても、東京商工リサーチが2026年3月31日〜4月7日に実施した調査(有効回答6,425社)では、大企業の21.3%(445社中95社)、中小企業の7.8%(5,980社中469社)、全体で8.7%が、2024年1月以降に退職代行による退職を経験したと回答しています(出典: 東京商工リサーチ TSRデータインサイト 2026年4月15日)。
つまり、会社の人事にとっても退職代行からの連絡は「初めてのこと」ではなくなりつつあります。だからこそ、あなたが心配しているほど、会社は取り乱しません。淡々と事務手続きが進むケースが大半です。
申し込みから退職完了までの5ステップ(時系列)
ここからは、頼んだあとに実際に何が起きるのかを、時系列で具体的に見ていきます。
ステップ1: 申し込み・支払い(あなた/所要10〜30分)
公式サイトやLINEから申し込み、料金を支払います。多くのサービスがLINEやメールで24時間受付をしており、深夜に申し込んで翌朝から動いてもらう、という使い方も一般的です。この段階では、まだ会社には何も伝わっていません。
ステップ2: ヒアリング(あなた/所要15〜30分)
担当者と、退職希望日・有給の希望・会社に伝えてほしいこと・貸与品の有無・私物の有無・連絡してほしくない相手(親など)を共有します。多くのサービスがヒアリングシートを用意しており、ここで「伝えてほしいこと」を漏れなく渡すのがこの記事いちばんのコツです。逆に言えば、あなたが会社とやりとりするのは、実質ここが最後になります。
ステップ3: 会社への意思伝達(代行業者/あなたは待つだけ)
代行業者があなたに代わって会社へ連絡し、退職の意思を伝えます。多くの場合、依頼した当日〜翌営業日に伝達が行われます。あなたはこの日、会社に出社する必要はありません。「退職を伝えた瞬間から出社しない状態をつくる」ために有給や欠勤を充てるのが一般的な運用です。
ステップ4: 退職届の郵送・貸与品の返送(あなた/所要30分)
退職届を会社宛に郵送します(弁護士監修のフォーマットを提供してくれるサービスが多い)。あわせて、PC・制服・社員証・健康保険証などの貸与品を、宅配便で会社に返送します。私物が会社に残っている場合は、着払いで送ってもらう手配も代行経由でお願いできます。ここが、あなたが自分の手を動かす2回目にして最後の場面です。
ステップ5: 離職票などの受け取り・退職完了(あなたは待つだけ)
退職日を過ぎると、会社から離職票・源泉徴収票などが自宅に郵送されてきます。これらが届けば、会社との関係は基本的に終了です。なお離職票の発行には会社側の作成と、あなたの署名が必要な書類のやりとりが発生することがあります。届くまでの目安は退職後2週間〜1か月程度ですが、遅れる場合はハローワークに相談できます。
いちばん怖い「会社から連絡は来るのか」問題
頼んだあとの不安の正体は、たいていこれです。「無視して直接電話してくるんじゃないか」「親に連絡が行くんじゃないか」。結論を先に言うと、会社からあなたへの直接連絡は、原則として来ません。
退職代行を通じて退職の意思が示された場合、会社は本人への直接連絡を控えるべきとされています。代行業者が労働者の意思を伝達している以上、本人へ直接連絡することはその代理・伝達を否定する行為と受け取られかねないためで、弁護士事務所などもこの点を会社側に助言しています(参考: 弁護士法人浅野総合法律事務所)。実務上も、会社は代行業者を窓口として事務を進めるのが通常です。

ただし例外はあります。貸与品の返却・私物の回収・引き継ぎ書類の確認など、どうしても本人確認が必要な事項については、会社が代行業者を通じて依頼してくることがあります。これは「連絡」というより事務連絡で、あなたが直接電話に出る必要はありません。もし親など特定の相手に連絡してほしくない場合は、ステップ2のヒアリングで「この番号・この人には連絡しないでほしい」と明示的に伝えておくことが有効です。伝えておけば、代行業者からその旨を会社に申し入れてもらえます。
有給・貸与品・離職票——実務でつまずく3点
頼んだあと、細部で気になるのがこの3つです。ここは「誰に頼むか(業者のタイプ)」で対応できる範囲が変わるため、先に知っておくと選び方を間違えません。
① 有給休暇。「退職日まで有給を消化したい」という希望はよくありますが、これは会社との交渉にあたります。後述するとおり、民間業者は交渉ができず(非弁リスク)、労働組合型なら団体交渉権にもとづいて有給消化などを求められます。有給を確実に使いたいなら、業者選びの段階で「交渉できるタイプか」を必ず確認してください。
② 貸与品・私物。PC・制服・社員証・健康保険証は宅配便で返送、会社に残った私物は着払いで送ってもらう——これが基本形です。返送先や同梱物(退職届を同封するか等)は、代行業者の指示に従えば迷いません。健康保険証は退職日以降は使えなくなるため、忘れず返送します。
③ 離職票。失業給付を受けるために必須の書類です。離職票は退職後に会社が発行し、郵送されてきます。「届かない」というトラブルは、会社の事務遅延で起きることがありますが、その場合もハローワークに相談すれば発行を促してもらえます。失業給付は自己都合退職の場合、申請から給付開始まで2〜3か月の待機期間があるため、離職票が届いたら早めにハローワークへ行くのが得策です。
あなたがやること / 代行がやること
不安を減らすいちばんの近道は、「自分の担当」と「相手の担当」をはっきり分けることです。下の図のように役割を分けて考えると、頼んだあとに何を待てばいいかが見えてきます。

当社でも、AI社員に仕事を任せるときは「ここまでが君の担当、この先はこちらで巻き取る」と最初に線を引きます。境界が曖昧だと、双方が「相手がやると思っていた」で手が止まる。退職代行でいちばん多い「頼んだのに進んでいない気がする」という不安は、実はこの境界の曖昧さから来ることが多いのです。ヒアリングのとき、担当者に「このあと私がやることは何と何ですか?」と一度確認しておくだけで、待つべき時間を安心して待てます。
よくある誤解と失敗例
誤解1: 「退職代行を使うと訴えられる/損害賠償を請求される」。退職は労働者の権利で、期間の定めのない雇用では民法上、申し入れから2週間で退職できるとされています。実際に損害賠償が認められるのはきわめて限定的な場面です。ただしトラブルが予想される(重要な引き継ぎ・金銭問題など)場合は、はじめから弁護士型を選ぶのが安心です。
誤解2: 「民間業者でも有給交渉や未払い残業代の請求までやってくれる」。これは誤りで、むしろ危険信号です。交渉・請求は弁護士(または団体交渉権のある労働組合)の領域で、民間業者が交渉を代行すると弁護士法72条が禁じる非弁行為にあたるおそれがあります。
失敗例: 「安いから」で運営主体を確認せず選んだ。2026年2月、業界大手「退職代行モームリ」の運営会社の社長らが、弁護士資格がないのに退職交渉などの案件を提携弁護士に斡旋し紹介料を得たとして、弁護士法違反(非弁提携)の疑いで逮捕されたと報じられました(参考: 弁護士ドットコムニュース)。同社は約1万6千人が利用していたとされ、その後4月に代表を刷新して営業を再開したと報じられています。なお、逮捕は容疑段階の報道であり、有罪が確定したものではありません。表向きは普通のサービスでも、裏側の報酬構造まで利用者からは見えません。だからこそ「誰が運営しているか」を確認する次の一手が重要になります。
民間・労働組合・弁護士、どれに頼む? ケース別の使い分け
ここまでを踏まえた「頼む前の最後の分かれ道」が、運営タイプの選択です。できることの範囲がはっきり違います。

ポイントは「交渉が必要かどうか」です。円満に退職の意思を伝えるだけでよいなら労働組合型で十分。有給消化や退職日の調整まで確実にしたい、未払い残業代など請求したいものがある、トラブルの気配がある——という場合は、はじめから弁護士型を選ぶほうが、あとから切り替えて二重に費用がかかるより結果的に安くつきます。料金目安は民間2〜2.5万円、労働組合2.5〜3万円前後、弁護士2.8〜5万円以上(いずれも2026年7月時点。実際の料金は各サービス公式で最新をご確認ください)。
運営主体が確かな退職代行(PR)
2026年の退職代行選びは「安さ」ではなく「運営主体(労働組合か弁護士か)」で決める——これが本記事の基準です。この基準を満たすサービスの例を挙げます。料金・キャンペーンは変動するため、必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。
退職後にやる行政手続き(退職翌日から14日以内のものも)
離職票などが届いたら、あなた自身で進める手続きが残っています。放置すると保険が切れたり給付が遅れたりするため、優先度の高いものから片付けましょう。

健康保険は、退職翌日から14日以内に、国民健康保険への加入・家族の扶養に入る・任意継続のいずれかを選んで手続きします。年金は厚生年金から国民年金への切り替えを市区町村役場で行います。失業給付は離職票を持ってハローワークで申請しますが、自己都合退職の場合は給付開始まで2〜3か月かかるため早めに動くのが得策です。各手続きの詳細は、当ブログの「会社を辞めた後にやる手続き完全ガイド」で個別に解説しています。
まとめ: 頼んだあとは「2回動いて、あとは待つ」
退職代行を頼んだあとにやることは、突き詰めればヒアリングで漏れなく伝えることと貸与品を返送することの2つだけ。会社からあなたへの直接連絡は原則来ず、やりとりは代行業者が窓口になります。不安の正体は「見えなさ」なので、ヒアリングの時点で「このあと私がやることは何ですか?」と一度確認しておけば、待つべき時間を安心して待てます。
そして選ぶときの基準は、料金の安さではなく「運営主体が労働組合か弁護士か」と「自分に交渉が必要か」。ここさえ外さなければ、頼んだあとの流れはおおむね穏やかに進みます。
「そもそも辞めるべきか、それとも働き方を変えるべきか」で迷っている方は、AIで仕事のやり方を変える実録記事もあわせてどうぞ。退職代行の料金相場と選び方をより詳しく知りたい方は、「退職代行って実際どうなの? 料金相場と失敗しない選び方」もご覧ください。
※本記事の制度・料金情報は2026年7月時点の公開情報に基づきます。最新情報は各サービス公式サイト・厚生労働省・ハローワーク等の一次情報をご確認ください。参考: マイナビキャリアリサーチLab、東京商工リサーチ、弁護士ドットコムニュース、弁護士法人浅野総合法律事務所ほか。
この記事は、退職・働き方に悩む方に向けた情報提供です。心身が限界というときは、無理をせず公的な相談窓口(こころの健康相談統一ダイヤル等)や専門家を頼ってください。


コメント